『どうしても触れたくない』のあらすじと感想、作品紹介

『どうしても触れたくない』 BLコミック

ヨネダコウさんのデビュー作で、2014年には実写映画化もされた漫画『どうしても触れたくない』のあらすじや読んだ感想・レビュー、電子コミック情報をご紹介いたします。

『どうしても触れたくない』のあらすじ

男同士だからこその苦しく切ない、心の傷とヒューマンドラマを描く。ヨネダコウ、BLデビュー作漫画『どうしても触れたくない』

「――どうして俺は男なんだろう 不毛だと知りながら どうして恋をするんだろう」
転職初出社日、嶋はエレベーターで一人の男と一緒になる。男の名前は外川。がさつで無遠慮、酒好きで女好きのチェーンスモーカー。誰とも深く関わらないようにしている嶋を外川は、冗談交じりにちょっかいをかけながらも何かと気遣う。嶋もそんな外川に、表面上は冷たくあしらいながらも心惹かれていく。

ある日、2人は酒の勢いで身体の関係を持ってしまう。しかし嶋は、前の職場で受けた心の傷が深く、どうしようもなく外川のことを求めながらも「ゲイである自分とは違う、いつかは飽きるに違いない」と、諦めていた。

自分の心の底にも、そして真っ直ぐに向けてくる外川の気持ちにも、どうしても向き合えない、触れられない、どうしても触れたくない。そんな中、外川の京都への転勤が決まる。

距離が離れてしまえば会うこともない、と嶋は別れを決意するが、その気持ちが外川を傷つけることになる。「お前にとって俺は、それだけの存在だったんだろ?」重なることの無い、2人の想いの行方は――。

『どうしても触れたくない』の感想・レビュー

『どうしても触れたくない』は、ヨネダコウさんのデビュー作です。コミックス初版は2008年9月、2014年には実写映画化もされました。恋人とひどい別れ方をし、深い心の傷を負った嶋と、「恨めない」大きな過去を持つ外川。似ているようでいてまったく違う2人の人間ドラマの話です。

家族写真の入った写真立てを伏せて「正直家族には憧れる」と笑う外川に嶋は、自分では彼を幸せにすることはできないと思い悩み、外川はそんな嶋に苛立ちを覚えます。好きだからこそ深く傷つくことを恐れてしまう。もしも失敗してしまったら、と踏み込めない、そこから踏み出してただ一言を伝えればいいだけなのにそれができない、大人だからこその臆病な恋が描かれている作品です。相手のことを思いやっているふりをして自分が傷つきたくないだけなんだ、という嶋の気持ちに、強く胸を締め付けられます。
また本作品のスピンオフとしての『それでも優しい恋をする』。こちらは、番外編の同人誌として発行されていたものに加筆修正をし、まとめたものです。嶋と外川をあたたかく見守っていた同僚の小野田と、彼に思いを寄せる「飲み友達」出口。友達でいい、このままの関係で。そう思っていたはずなのに、言えない言葉を飲み込んでそれがどんどんたまっていく――。

友達でいられれば楽なのに、ずっとそばにいられるのに。だけど友達ではいられない。同人誌であるということもあり、本編より少しコミカルに、けれどもこちらも大人の恋の弱さをリアルに描いた作品です。

ヨネダコウさんの漫画は小説のようです。キャラクターの深い作り込みと心理描写が特徴的で、過去がある男たちの、綺麗なだけではない絆と大人の弱さ、もろさが作品の中にあります。

男が男に惹かれ、恋をする。それは不毛かもしれないけれど、どうしようもなく心が求めるものであり、打算はありません。だからこそ純粋で、心から相手を求めているのに「どうして男同士なんだ」と苦しむ姿が描かれています。表立って祝福されるような恋ではない、という葛藤、リアルな息遣い。ふとした表情、ほのかに漂う男の色気。何度でも読み返したくなり、そのたびに心のやわらかい場所をえぐられるように切なくなる本編とスピンオフです。

電子コミック情報

著者名:ヨネダコウ
出版社:大洋図書
連載誌・レーベル:H&C Comics

参考価格:660円(税込)

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